クランクの長さ

過去に自分自身も悩んだ“クランクの長さ”に関して興味深いデータが取れたので紹介します。

被験者は175cmでがっしりした筋肉質体型の方で、脚はどちらかというと短めでハムストリングスが発達しており、その特徴の通りサドルを低く後ろに引いたポジションで乗られていました。本人もスプリントを得意としているようで、先週のひたちなかで行われたレースで優勝されています。

ペダリング診断を実施しながら効率の良い漕ぎ方について試行錯誤をしながら改善していきました。

相当、回転を意識してペダリングをして頂きましたが、どうしても上死点付近でのぎこちなさと言ったら良いのか、写真の上に表されている赤い数字(最大トルクが発揮されている角度を示し、理想的には90が最も良い)がなかなか改善されません。

そこで、以前から疑問に思っていたクランクの長さを変えるとどうなるかについて実験してみようということになりました。ジテ通ハウスには自転車を持ち込まなくてもフィッティングできるように、サドル高さだけではなく、ステム位置が自由に変化できるエルゴステムと、クランク長が可変できるクランク↓

を装備したバイクを用意してありますので、急きょお客様のポジションにセッティングしたうえで、出来るだけ同じ条件で、クランク長を短くするとどんな変化が出るかを測定しました。

その結果は 
クランク長172.5mm ↓

クランク長170mm ↓

同じコースを走って頂き、ほぼ同じ地点で写真撮影しています。4%程度の上り坂を力走中の状態です。上部の赤い数字が明らかに理想値へと近付き、本人も脚がスムーズに踏み込めている感じがするとのことでした。(クランクを短くすると誰でも同様の経験をしますが、数字がそれを裏付けてくれました)
注目すべきは出力です。下の2段のデータ数値の上が被験者です。クランクを短くすると出力が下がって(テコの原理)も良さそうですが、ほとんど影響がありません(むしろpeak値は高い)

このように、ジテ通ハウスのBIKE FITではお客様の感覚とデータが一致するので、本当に良いポジションになったかどうかが一目瞭然なのです。

どうでしょう、こんなに面白いペダリング診断、あなたも受けてみませんか?